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退魔師笠原さん!② - PPD
2023/01/26 (Thu) 20:16:04
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/01/30 (Mon) 19:58:18
今のうちに逃げよ。
どこか遠く。できる限り遠くにな。
…お前の頭の上の葉っぱが狸の加護の証。
それがある限りは、狸たちが味方をしてくれる。
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/01/30 (Mon) 20:09:47
はぁ……はぁ……
できるだけ遠くに……!!
できるだけ……!!
人たちに見つからないような遠くに逃げてやる…!!
狸さんごめん……おいてきてしまってごめん……!!
でもありがとう……!!
はぁ……! はぁ……!!
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/01 (Wed) 21:02:59
おっとそこで止まれ…!
お前、件の忌み子だな?
忌み子を生かしてやってる狸がいるってんで、私が人間どもと出向いてきてやったんだが、狸はどこだ?
まぁいい。人間どもはお前さえ手に入れれば報酬は渡すと言ってたし。さっさとお縄につけ。『年貢の納め時』ってやつだ。
(ま、まずい……!!)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/01 (Wed) 21:26:45
「た……助けt―――」
鷹「やっぱり来たか、狸」
カンナギ「ぐっ!! 鷹……! そこをどけ……! お前に用はない…!」
鷹「私たちはそっちの忌み子に用があるのだ。忌み子を匿う妖には私たちも用はない」
カンナギ「この人間は他の者も要らぬものとして扱っておった。だから我が拾ったまで。拾い物を返せとはずいぶんと強欲な盗人じゃの」
鷹「減らず口め……。いいだろう、ここは妖らしく戦いで決着をつけてやる」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/01 (Wed) 21:39:41
カンナギ「はぁ……はぁ……」
カンナギ(まずいぞ……。さすがに我の力では鷹には分が悪い…。だがしかし……!!)
鷹「随分と苦しそうじゃないか。狸よ」
カンナギ「うるさい!我が全ての力をもってお前を叩きのめしてやるわ!
」
―――――
「ええい…! あの鷹女め。一体いつまで待たせる気だ!」
「もういい。あいつごと射貫いてしまえ!」
「忌み子はどうする?」
「あいつもそのままあそこで射貫けばよい。どうせあいつ自身は力は無い」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/01 (Wed) 21:52:58
ドンッ……! ドンッ……!! ドンッ…!!
カンナギ「ぐ……あぁっ……!!!」
忌み子「た、狸さん…っ…!?」
鷹「……!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/01 (Wed) 22:01:32
「やったぞ……!」
「狸女を仕留めてやった!!」
「あとは鷹女と忌み子も仕留めてやれば―――」
鷹「おい貴様ら……。一体これは何の真似だ……?」
「ひっ!!?」
鷹「妖の戦いに首を突っ込むとは…どういうことか分かっておるのだろうな?」
「そ、そんなつもりでは…! す、助太刀のつもりで……!」
鷹「…興覚めだ。そもそも私は忌み子などどうでもよかった。お前たちが報酬を払うというから付き合ってやっただけだ。もう付き合う気さえ失せた。お前たちの横やりのせいでな」
「だ……だからなんだと…」
鷹「口を慎め。ゴミどもが。この鷹を怒らせた罪は、あの忌み子より重いぞ。当然命で償うべきだな…?」
「ひっ! お、お許しを……!!!」」
鷹「もう遅いわ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/01 (Wed) 22:10:11
「狸さん…狸さん……」
ダメだ……。もう立ち上がることもままならない。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
何を謝る必要がある……。我は気まぐれにお主を生きさせてやっただけで……。
「あなたのおかげで、生きてて楽しいって思えた…!」
そうか……それならばよかった。この後も楽しく生きていってくれ。
「だから、お願い…。また私と一緒に―――」
………
記憶はここで一度途絶えている――――
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/02 (Thu) 22:01:55
目が覚めたら、そこは石碑だった。
石碑には『鷹女に虐殺された男たちを慰める碑』と書かれていた。
あれから彼女たちがどうなったのかは分からない。
ただ一つだけ言えるのは、『人間は互いを貶し合う愚かな生き物だ』ということに気づいたことだ―――
「人間などもう知るか」
カンナギの人間不信はこうして始まったのだった。
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/06 (Mon) 20:53:20
某年7月末――――
1人の女子高生が車にはねられた。
体の打ちどころが悪く、両足が吹っ飛び即○。遺書などは無く、自転車に乗っていたことから運転中の不慮の事故と判断された。
彼女はそれなりに有名な高校の野球部に所属しており、彼女の訃報は地元の新聞で小さく取り上げられた。
しかし、彼女の学校ではとある奇妙な噂が流れていた。
『事故で○んだ□□は、まだ自分が○んだことを理解しておらず、事故現場周辺を足を探してさまよっている」と―――――
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/06 (Mon) 21:08:56
笠原「ここが件の場所か」
笠原「さすがに噂だけだと信じてやりたいところだが……。どうも嫌な気配がするな……」
Re: 退魔師笠原さん!② - ゆーふぉにうむ
2023/02/07 (Tue) 20:48:07
>>その娘から離れろ。
おんなだったのか…
>>両足が吹っ飛び即○
没にしたストーリーで犠牲者が出たりえげつない描写のあるものは投稿を避けていたのですが、
なるほど、伏字という方法がありましたか
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/07 (Tue) 21:40:36
>おんなだったのか…
そうですね。ただし忌まれる対象になってしまった原因は家系にあるようです。
>伏字
伏字ならどうにか投稿できるかなと思いました。
笠原「…あ…あれだ……!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/11 (Sat) 22:13:07
笠原「確かにお前の事故は相当な不運だったな」
笠原「だが、いくら後悔があっても生きている人間に危害を加えることは許さん」
笠原「成仏してまた野球をやりにこい。キャッチボールの相手をしてやる」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/17 (Fri) 22:01:52
笠原「ということがあってだな」
ハクエン「手だけで動く化け物じゃと?お主何か幻術でも使われたのではないか?」
笠原「そんなわけあるか。さすがに幻術くらいある程度見分けられるようになってきたつもりだぞ」
ハクエン「だがそもそもこの地域では○んだら火葬じゃ。お主の話にあるようなゾンビのような化け物が出てくるはずないじゃろ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/02/20 (Mon) 21:52:30
「ねぇ……ねぇ……。あなたは…●▼◆くん……?」
「●▼◆くん、どこにいるか知らない?」
「知らないの? 隠さないでよ?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/03/28 (Tue) 22:19:57
笠原「ぐっ……生身の人間の感触がまだ手に残ってる…」
笠原「こいつらは、いつも相手にしている妖怪や幽霊とは違うんだ……」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/04/01 (Sat) 22:14:01
ハクエン「おい、主。飲み込まれるなよ! こやつら、確かに生身の人間の身体をしているが、生きてはいない、屍じゃ」
笠原「はぁ……はぁ……。それが一番精神的に辛いな」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/04/15 (Sat) 22:20:44
小弥「ヒッ!? い、今こいつ動いておらんかったか!?」
小道「生身の身体だが生きてはいない……。まるで操り人形のようだな」
小弥「し……死んでるのに動くとか怖すぎるだろ…」
小道(お前が言うのか……)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/04/16 (Sun) 20:28:12
小道「ふぅ……ふぅ……。霊体ではなく実体を斬るというのは中々精神的に辛いぞ」
小弥「……この森自体がすごく陰気くさい……。絶対まだ何か出てくるぞ…」
小道「この怪奇現象の根源さえ見つかれば……」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/05 (Fri) 20:46:42
蜘蛛女「○体はわらわの思うがままに動いてくれる。ここはそうしたわらわの下部たちが事前と集まる。なんて素敵なところじゃ」
笠原「……こんな負の場所を作ってしまったのは確かに人間が悪いが……生きている人間に危害を加えることは許さん!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/20 (Sat) 22:19:34
笠原「いや~昨日も今日ももう夏かというくらいに暑いな」
笠原「沖縄が梅雨入りしたなんて言っているが、それより先に夏に入りそうだぞ……」
笠原「このまま練習していても熱中症になるだけだし。……中で冷たいものでも飲んでいくか?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/20 (Sat) 22:34:38
笠原「ほい。冷たい緑茶だ」
笠原「ん? あぁ私の洋装が珍しいって? 確かに道着と和装なことがほとんどだからな」
笠原「これは高校のときの体操服で―――って、まぁ…あまり客人の前でするような恰好ではないが、いいじゃないか。君は信頼できるいい弟子だからな」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/22 (Mon) 22:13:49
小向「あら。久しぶりね。最近調子はどう?」
小向「貴方もこういうところへ来るものなのね」
小向「…ま、ちょっと一緒に飲みましょうよ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/22 (Mon) 22:28:26
小向「さて…。貴方が私の前に現れたということは、悪いニュースなんでしょうけど。今度は何があったの?」
小向「たまにはいいニュースも持ってきなさいよ。だから胡散臭い三流ライターなんて呼ばれるのよ」
小向「……冗談よ。話をしてちょうだい?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/23 (Tue) 21:15:05
小向「悪魔召喚? ふーん、また随分とスピリチュアルなニュースを拾ってきたわね」
小向「……でも私にその話題を持ち込んでくるってことは、どこにでもいるようなサタニストの話ではないってことでしょ?」
小向「……政治家!? 彼らでもそういうオカルトに傾倒するものなのねぇ……」
小向「情報提供ありがとう。こちらでも捜査してみるわ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/24 (Wed) 22:32:53
小向「うーん……。大体この国って信仰も思念もサラダボウルみたいに入り混じってるせいで、退魔師の妖力察知が当てにならないのよね」
小向「だからまずは不可解な不幸や不審な事件から調べていくしかないんだけれど」
小向「彼が言ってた州議員について調べてみたけど、さすがに事件や事故については情報が少ないわね」
小向「……身辺調査からするしかないわね」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/25 (Thu) 22:17:17
小向「……あの人ね。ヤバいわ、すごい黒いオーラが出てる……」
小向「あれは幽霊じゃないわ…。たぶん悪魔か何かね」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/26 (Fri) 22:15:14
小向(……周りに秘書とかもいない……。今がチャンス……!)
小向(悪魔にしか効かない波動を送ってやるわ……!)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/26 (Fri) 22:26:12
小向「先生! 初めまして。応援してます!」
政治家「あぁ、ありがとう! わざわざ声をかけてくれるなんて、議員としてとても嬉しいよ」
小向(手を繋いだわ…!波動を流してやる……!! 悪魔よ、姿を現せ……!!)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/05/31 (Wed) 21:43:54
悪魔「ケケケケ……よく俺の存在を見抜いたな……。それなりに腕の立つエクソシストのようだ……」
悪魔「だが、こいつとの契約はまだ終わっていないのでね……。悪いが俺を倒すことはできないぜ。残念だったな。ケケケケ」
悪魔「そろそろこいつに精神を返すが、俺には関わらない方が身のためだぜ…?ケケケケ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/05 (Mon) 22:05:06
小向「見てちょうだい……。これは『刻印』みたいなものかしら」
小向「この刻印見覚えある……?」
小向「……知ってるのね…?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/07 (Wed) 21:43:32
小向「ウィジャってまた古典的な除霊術じゃない。でも私が見たのは霊じゃなくて悪魔だったわよ。それも相当危険なね」
小向「『悪魔を呼ぶ特別なウィジャ』なんてのがあるの? でもそもそもウィジャは降霊術でしょう?」
小向「……そうね。悪魔に人間の常識は通じないわ。悪魔っていうのは人間の魂を奪うためには手段を選んでこないって、私はこっちでいくらでも学んだわ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/08 (Thu) 11:33:40
小向「そういえば、あの政治家のSNSも見てるんだけど。貴方はこれを見て何か分かったの?」
小向「…? 一番上の投稿を見ろって?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/08 (Thu) 21:28:48
小向「『私はたくさんの市民の声を聞きたい』―――これへのリプライが……」
小向「なんだか確かに奇妙ね……」
小向「みんな返信1にいいね1つ……。いや、この人はいいねついてない……」
小向「いいねしてるのはこの政治家本人……。でもなんでしてる人としていない人がいるのかしら……?」
小向「いいねされていないアカウントはどうなってるのかしら」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/09 (Fri) 22:36:26
小向「……このアカウント。政治家に『ありがとう』って返信してからアカウントが動いてないわ」
小向「しかも、『いいねがついていないアカウント』全部よ」
小向「…何をしてほしいか分かるわよね?」
小向「さすが三流ライター。よくわかってるじゃない。『アカウントの持ち主の特定』をお願い」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/10 (Sat) 11:25:23
ライター「コナタがまた無茶な依頼をしてきたわ…。彼女のこれはいつものことだから気にしないけど……」
ライター「この政治家、前から胡散臭いと思ってたのよね~。悪魔崇拝者だの、ギャングとつながってるだの、色んな噂がされてた人だからね」
ライター「……このアカウントもそうね……」
ライター「……うん。やっぱりそうだわ。『いいね』がされていないアカウントはどれも『すでに亡くなっている人』のアカウントだわ」
ライター「それも、どれも交通事故とか心臓発作とか、穏やかじゃないわね」
ライター「…コナタに連絡しようかしら」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/10 (Sat) 22:47:27
ライター「コナタ?今大丈b…」
小向「んんっ……!キャ…キャシー…! ま、マズいわ…!!」
ライター「な、何かあったの!?」
小向「何があったも何も! さっきから右手が私の首を絞めようと―――」
ライター「い、今すぐそっちに行くから…!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/11 (Sun) 10:05:37
小向「はぁ……はぁ……あ、ありがとう…キャシー」
キャシー「うん。問題ないわ。それにしても、大丈夫コナタ…?」
小向「はっきり言って大丈夫じゃないわ。さっきから右手がすごい殺気立ってるのよ。少しでも力を抜くと、私の首を絞めようとしてくるわ。鈍器や刃物も危険ね……」
キャシー「これはやっぱりあの政治家の仕業に違いないわ……。きっと闇の政府の一員で―――」
小向「そういうのは今はいいわ。それよりも、私に連絡してきたってことは、何か進展があったのよね?」
キャシー「えぇ……。あのアカウントたちの正体が分かった。そして最近起きている政治家周りでの不審な事件の真相も」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/12 (Mon) 13:43:29
小向「なるほどね。あの政治家のアカウントが怪しいってことね……!」
キャシー「私が他人に成りすましてコンタクトを取ってみるから、援護をお願いするわ」
???「その必要はないぜ」ケケケケ
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/15 (Thu) 22:26:26
悪魔「ケケケケケ……大したエクソシストだ。ここまでたどり着くとは」
悪魔「俺様はこの人間と契約し、『自らの活動の妨げになる人間を○す』ことを成し遂げた。しかしその契約として『市民1000人』を生贄にささげたのだ」
小向「……なんてやつなのよ」
キャシー「だから政治家の周りで事故や謎の○が…!」
悪魔「ケケケケ…。人の業とは恐ろしいものよ……。この女は、自分の障壁になる人間を消す代償として自分の町を売ったのだ…!」
小向「……今何人をお前は○した?」
悪魔「998人だ。そして間もなく1000人になる――――」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/18 (Sun) 21:52:03
キャシー「ひぃぃぃいい!!! なによこれ!? この世の終わり!?」
悪魔「ケケケケッ……!」キッ
小向「……!? キャシーに何するのよ!!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/18 (Sun) 22:41:51
悪魔「おいエクソシスト…。俺たち悪魔が最近どのようにして人間を食っているか知ってるか?」
小向「…知らないわよ」
悪魔「ケケケッ、そうか。こいつは全部わかってるみたいだぜ?」
小向「きゃ、キャシーに何をしたのよ!」
悪魔「こいつは俺のSNSのアカウントをハッキングして、メッセージ機能まで確認してきやがった。俺たち悪魔はメッセージを使って、『食らう人間』を決めてるのさ。気に食わない奴は食らう。バカみたいなメッセージしか送らない奴や、周りに迷惑ばかりかけるようなやつだ。―――人間界でも『○んで当然』と思われるようなやつを中心にな」
小向「……だから、政治家のアカウントを乗っ取って活動を……」
悪魔「そうさ。昔からそういう正義を掲げる人間を操ることが上手いやつらっていうのがいる。この政治家もそうだ。そして正義マンに対してメッセージを送ったのさ。『あなたの周りで困った人はいませんか?法律を変えて彼らに天罰を!』ってな」
小向「……で、それとキャシーに何の関係が……」
悪魔「今ちょうど俺へのメッセージを開いてる。そしてこうメッセージを打ってある。『こいつを○してください』ってな」
小向「…!?」
悪魔「そうなればお前はもう俺の手中だ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/19 (Mon) 22:45:30
小向「……はははははははは……!!!」
小向「いいわね…。まさに『悪魔の所業』ってところね」
悪魔「なんだぁ?強がりか?人間ってのはヤケを起こすとそうやって―――」
小向「SNSなんて小賢しい手段を使って人間の魂を食らうなんて、迷惑の程度で言えば、迷惑系動画投稿者と大差ないわね……!多くの人を疑心暗鬼にさせて、無関係の人に迷惑をかける…まさに現代に染まった鬱陶しい悪魔…!!」
小向「私はここから逃げも隠れもしない……!!正々堂々と私に食らいついてきな……!!」
悪魔「言いやがったなぁ……!? こんな女なぞ要らん!! 魂ごと食らうなんて生ぬるい…! 地獄へ叩き落して、あらゆる限りの苦痛を味わわせてやる!!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/20 (Tue) 21:46:31
小向「っぐぅぅぅぅぅうううっ……!!」
悪魔「ヒャーッヒャッヒャッ!! どうしたぁ!? さっきまでの威勢はぁ!?」
小向「……はぁ……はぁ……はぁ――――」
小向(……なるほどね。私の内側の魂から衰弱させていくつもりなんだわ)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/20 (Tue) 21:58:16
小向「……むやみやたらに攻撃をしても仕方ない」
小向「……今あいつのターゲットは完全に私一人……」
小向「じゃあもう、『解放』するしかないわね」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/20 (Tue) 22:28:00
小向「くっ……!!」ビュンッ!!
悪魔「ケケケケッ!! ヤケになって逃げる気か!? そうはさせんぞ!!」
小向「――私たち笠原一族は、本来その身を隠しながら魔を葬って来たのよ。魔に接し最も近い一族として忌避されるのを防ぐためにね……」
小向「その点この国は都合がいい。 ここは人種のサラダボウル。 隣にいるやつが『悪魔崇拝者』『陰謀論者』『退魔師』『異世界人』どんなだって不思議じゃない」
悪魔「……何がいいたい……!!」
小向「退魔師なのだから、他の人に危害が及ぶ場合は絶対にセーブするわ。でも今あなたは完全に私にしか目が行ってないわね!!」
悪魔「……!!」
小向「だったらもう力を抑えて戦う必要性は全くないわ!!退魔師笠原家の一族として、最大限の力を解放する……!!!」
小向「くたばれザコ悪魔ああああああああああああああ!!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/20 (Tue) 23:08:52
――――数日後
キャシー「やっぱりおかしいわよ! なんでSNSがバグるのよ」
小向「ほんとね~? 前まで見れたはずなのに」
キャシー「ログで遡っても、全部謎の文字化けよ!ありえないわ!」
小向「ほんと…ありえないわね~」
小向(あの日以降、キャシーにも政治家にも悪魔の気配が全部消えてくれたわ。よかった。キャシーの記憶からも消えちゃったみたいね。)
小向「じゃあこのままいつもみたいに書いちゃえば?『悪魔崇拝者の政治家の陰謀!消えたSNSの謎!』って感じで」
キャシー「それじゃいつもの三流記事じゃない!」
画像はあとで。
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/21 (Wed) 11:39:47
小向「まぁ…悪いことは言わないから、もうその政治家のことは追わない方がいいんじゃない? しばらく活動がないんでしょう?」
キャシー「……そうね。巷では『○亡説』が出てくるくらいよ」
小向「そっか。じゃあその辺調べて記事にすれば、それなりの記事にはなるんじゃない? さっさと記事書いて、もうその人のことは忘れなさい! じゃ、ちょっと私は用事あるから」
キャシー「ちょっともう! 適当なことばっかり言って……!!」
キャシー(あの政治家のことはほとんど覚えてないけれど、実は1つだけ消えてないログがあるのよね…。私の捨て垢に残ってるコナタの画像……)
キャシー「……覚えてないことの方が幸せかもね。コナタの言う通り、適当に仕上げちゃいますかぁ」
こうしてできた『【驚報】悪魔崇拝で地獄へ堕ちた政治家の末路が恐ろしすぎて震えて眠れない!』は無事編集長にダメ出しを食らい没になったとさ。
~ 完 ~
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/22 (Thu) 21:41:45
日常
キャシー「私が所属している秘密サークル『光の勇者ギルド』で話題になっている『真実を見通す鏡』を持ってきたわ!」
小向(うわっ!? これ、悪霊を封じ込めてる鏡じゃない! なんでそんなものをこいつが持ってるのよ?!)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/24 (Sat) 22:06:40
キャリー「『光の勇者ギルド』に今日も行ってみたら、施設ごともぬけの殻だったのよ?! なんで!? お布施に結構な金額を出してたのに!」
小向「あら~。やっぱり怪しい場所だったんじゃない。仕方ないわ。高い授業料だったと思って諦めなさい」
キャシー「まったく、正義の光を潰す連中なんて心当たりが多すぎてどれだか分かんないわ」
小向(さすがに無視できないから、組織ごとぶっ飛ばしてやったからね……。まさか悪魔と契約して、鏡に悪霊を呼び込んでそれを売りつけるなんてアコギな商売してるんだもの)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/25 (Sun) 22:07:42
小向「……あんた何持ってるのよ?」
キャリー「これ? これはとあるスジから手に入れた『エルフの水晶』よ! 美しいし、マイナスイオンも得られて、素晴らしすぎるわ!」
小向「エルフって……いくらしたのよそれ……」
キャシー「本当は5000ドルのところを3000ドルにしてもらったのよ!」
小向「……呆れて物も言えないわ……」
小向(エルフなんて神々しいものじゃないわよその石……。一体何が埋め込まれていることやら……)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/27 (Tue) 21:27:55
小向「……ちょっと私にも触らせてよ」
キャシー「仕方ないわね! まぁ私の親友のコナタの頼みだから、少しくらいならマイナスイオンもおすそ分けしてあげるわ」
小向「マイナスイオンは要らないわ……」
小向(でも……この水晶には何かある……)
水晶(あの……もし……もし……)
小向(水晶から何か聞こえる……?)
水晶(…!? 貴女は、私の声が聞こえるのですか?)
小向(え……えぇ……聞こえてる……わよ? 貴女は何者……?)
水晶(…よかった……! やっと……やっと話せる人間のところまでやってこれた……。お願いです。私たちを助けてほしいのです……!)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/27 (Tue) 22:19:00
水晶(申し遅れました…。私はベラ・ヴェンタスと言います。今は水晶でしかお会いできませんが、れっきとしたダークエルフです)
小向(ダークエルフ……!?)
水晶(驚くのも無理はありません…。私たちは本来中々人間たちの前に姿を現さない一族ですからね…。その存在も一部の人間が書籍に残したくらいで……。いや、今はそんなことはどうでもいいんです……! お願いです、この声が聞こえている貴女だけが頼りなんです……! 私たちを助けてください……!)
小向(そういえばさっきもそう言ってたわね……。ということは何か訳ありな感じね?)
水晶(そうなんです……。私たちはこの街の西の方にある『マルノーバ』というところにいます。お願いします。私たちにはできる限り多くの力が必要なんです……!!)
小向(ここに水晶がやってきたのも何かの縁ってわけね…。分かった。力を貸すわ。私はコナタ・カサハラ。日本人よ)
水晶(分かりました。よろしくお願いしますコナタ……!)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/28 (Wed) 21:31:42
小向「……ねぇキャシー…? もしもあなた向けの素晴らしいスクープがあるとしたら、どうする?」
キャシー「…あ~……実は明日車が壊れる予定があって―――」
小向「さぁ! 準備するわよ! 40秒で支度しな!」
キャシー「やっぱり私の意見なんて聞いてくれないじゃない―――!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/06/28 (Wed) 22:00:50
キャシー「ミセス・カサハラ? 私たちは一体どこへ向かってるのでしょう……?」
小向「あれ? 言わなかったかしら? 『マルノーバ』ってところよ!」
キャシー「マ、マルノーバって、ここから何マイルあると思ってるのよ!?」
小向「さぁ? 夜のうちに着けば無問題ね」
キャシー「よ、夜にマルノーバに行く気なの!? 勘弁してよ!?」
小向「何か問題?」
キャシー「マルノーバは廃坑になったゴーストタウンよ!? 夜なんて何がいるかわかったもんじゃないわ!!」
小向「…うそでしょ…?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/04 (Tue) 21:50:27
終点でバスから降り、徒歩で歩くこと数時間――――
小向「遠いわね……」
キャシー「そりゃそうよ……。元々炭鉱の村だったところだし…。今では廃村になってて本来は人は住んでないらしいけど、あまりいい噂は聞かないわ」
小向「…へぇ……。なんだかヤバいところに行くってことは分かったわ。でも……悪いわね、付き合ってもらうわよ」
キャシー「コナタに付き合ってるといつもこうなるのは分かってるから、今更よ!」
小向「三流ライターのくせに、言うようになったわね!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/04 (Tue) 22:14:51
??「た、助けてくださーーーーーい!!!」
小向「!? 人の声!?」
キャシー「だいぶマルノーバに近いところまで来たけど、こんなところに人!?」
??「はぁ……はぁ……助けてください! 実は悪い人に追われてて!」
小向「悪い人!? とりあえず隠れましょう!」
キャシー「草陰にでも入って!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/04 (Tue) 22:30:18
??「はぁ……はぁ……ごめん、ありがとうございます」
小向「ふぅ…。なんであなたは追われてるのよ」
キャシー「確かに人が来ているわ……!」
??「わからないです……でもあの人たちに追われてて……」
小向「こんなところに警察だって中々来ないだろうし」
??「…………」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/04 (Tue) 22:42:30
??「おいお前ら、そこを動くな!」
小向「……!」
キャシー「へぇっ!!?」
??「大人しく手を上げなさい。そっちの金髪もよ。さもなくばこの日本人はすぐに○すわ」
キャシー「ひえぇ!」
??「どうしたのよ。怖すぎて声を出ないの?」
小向「……そうね」
小向(なるほど……後ろにいるやつとはグルだったのね……。ってことは、このままマルノーバに連れていかれる可能性が高いわ……。ちょっと危険だけど、着いていこうかしら)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/05 (Wed) 22:06:10
??「へい、ヘザー、こいつら2匹、連れていくわよ」
ヘザー「あぁそうだな。というかこいつら武器すら持ってねーぞ。どういうつもりだ? マリー?」
マリー「知らないわよ。さて、日本人さっさとこっちに着いてきな。少しでも余計なことしたらその顔が真っ赤になっちゃうからね」
ヘザー「隣でぶっ倒れてる金髪もつれていくのか?」
マリー「当たり前じゃない」
小向(よし……。間違いなくマルノーバには連れていかれるっぽいわね…。問題はキャシーに怪我だけはさせないようにしないといけないことね……)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/06 (Thu) 21:48:23
小向(……ここが、マルノーバ……?)
マリー「さっさとこっちにこい日本人!!」
ヘザー「ここから先で少しでも不審な動きをしたら、仲間の金髪ごと始末してやるからな」
小向(……本当に廃村って感じのところね……。幽霊の1人や2人出てきてもおかしくない雰囲気はあるわ……)
背景はttps://stablediffusionweb.com/を使い生成しました。
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/08 (Sat) 21:41:44
???「……こいつらがこの辺をうろついてたネズミか?」
ヘザー「あぁローズ、間違いねぇ……。この2匹だ」
ローズ「お前のその第六感は本当に便利だな。マリー、こいつらはどんな様子だ?」
マリー「大人しく着いてきたわ。抵抗も何もしてない。なんだか拍子抜けね」
ローズ「ほぅ……」
ローズ「おい、日本人。お前はここに何をしにきた?素直に答えな」
マリー「私たちに嘘は通じないわよ」
小向(……さて、どうしようかしら……)
キャシー(タヒぬんだぁ……)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/08 (Sat) 21:56:13
小向「チョット!! きゃしー!? コレハドウイウコト!? ココハらすべがすジャナイノ!?」
キャシー「……!?」
小向「ワタシ、エイゴ、ワカラナイワヨ!?」
小向(に、日本語しか喋れないってことにしてしまえばいいわ……!確かキャシーは日本語ができたはず…!)
キャシー(へぇあ!? こ、コナタが英語忘れちゃった!?)
ローズ「おいなんだこいつ、英語喋れねーのか!?」
小向「タスケテ!! コノヒトノ イッテルコト ワカラナイ!!」
キャシー(どうしてよコナタあああああ!!!)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/09 (Sun) 21:46:08
キャシー「この子は日本の観光客で、私たちはただの通りすがりなんです。まさかこんな外れの街に人がいるなんて思いもしなくて…」
ローズ「……ここは街はずれも街はずれだぜ? 観光に来るような場所じゃねーよ」
キャシー「こ、この子、こういう有名どころじゃないマイナーな観光地に行ってみたかったらしくて」
小向(いいわよそんな感じで、私たちは無害アピールするのよ!)
マリー「そうだったかしら? 確かあんた私に対して英語で話してきてなかった?」
小向(そうだった―――!! こいつには英語で話しかけてた―――!!)
キャシー「えっと………それは………」
マリー「ローズ! こいつら嘘ついてるわよ!!」
小向「ちぃっ!! 仕方ないわ!!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/10 (Mon) 22:43:56
小向「ぐふっ!!!?」
小向「ぐあああああああああ!!!!」
ヘザー「ったく、油断したぜ。マリーの第六感を少しでも欺けたんだ。誇っていいぜ」
ヘザー「ただ、俺たちの実力も低く見積もりすぎたな」
小向(こいつら―――退魔師の私の技を見切って……! こいつら普通の人間じゃない…!?)
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/11 (Tue) 21:06:48
小向「ぐぅぅうっ!」バンバンバン!!
ヘザー「ちぃっ!! 私の拳を叩き込まれて平気だと!?」
小向(私の『力』を込めた弾丸がはじかれるなんて…相当強いバフがかかってるのね……。このままじゃマズいわ……)
マリー「動くな!!日本人!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/13 (Thu) 22:22:30
マリー「この女がどうなってもいいのかしら?」
マリー「その拳銃はさっさと捨てて、身ぐるみ全部差し出しな!!」
小向「……バカね……。第六感があるなら分かるでしょう? 私が普通じゃないってことくらい」
マリー「お前こそバカなんじゃない? こんな現場に普通の人間を持ち込んでくるなんて!」
小向「分かったわ。脳天ぶち抜くしかないみたいね」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/14 (Fri) 21:37:35
エルフ「この人たちは私たちを救いに来た英雄の方々です……! 手出しはさせませんよ!!」
マリー「な……何よこいつ……!?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/14 (Fri) 22:12:56
小向「あなたは、水晶で私に話しかけてきたあのダークエルフ……?」
エルフ「そうです……! コナタさんからすごいパワーを頂いたので早く元に戻ることができました!」
小向「あら……。元に戻るって……、もしかして貴女自身水晶に変化してたの?」
エルフ「えぇ…。でも、そんなことは後回しです! とりあえずこの場をどうにかしましょう!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/15 (Sat) 21:57:18
ヘザー「なんだぁ!? 新しい仲間かよ!?」
マリー「どういうことか知らないけれど、確かにあっちの味方をしてるみたいね」
ローズ「……チッ…」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/16 (Sun) 22:32:22
ローズ「おい、お互い決め手を欠いてるようだし、一旦手を止めようぜ」
小向「……私は気を抜く気持ちは一切ないわ」
ローズ「……まぁいい。そのときはこっちはこっちでやるべきことをするだけだ」
ローズ「…お前たちはどういう目的でここに来た? はっきり言うが、ここは俺たちが拠点にしているアジトだ。 元々はゴーストタウンで人間はだれも来やしないんだよ」
小向「……ダークエルフが呼んだのよ。『私たちを助けてほしい』ってね」
ローズ「…助けてほしい、ねぇ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/22 (Sat) 22:54:33
ローズ「これを見てくれ」
ローズ「こいつは、この土地の買取書だ。こんなゴーストタウン、だれも欲しがらないもんだから、俺たちが買ってやったんだ。街自体が俺たちの私有地なんだよ」
ローズ「そしたらこの街、面白いもんが居たんだ」
小向「面白いもの……?」
ローズ「今、お前の隣にいるヤツだよ。この街がまだ栄えていた頃に噂されていたダークエルフの伝説が本当だったってわけだ」
小向「ダークエルフの伝説……?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/22 (Sat) 23:26:50
エルフ「そもそもこの街は、人間が住む街よりも遥か遠くにある自然豊かな場所だったのです」
エルフ「ですが、人間が文化を発展させていくにつれて、我々の住処にまで押し寄せてきたのです」
ローズ「最初は炭鉱の街だったからな。炭鉱夫が働いていたんだ」
エルフ「そのころは我々も人間たちとよい関係を築いていたのです」
ローズ「ここの炭鉱が尽きたからな。街は手放されてゴーストタウンになった。そして利用価値が石炭じゃなくてエルフ本体に変わったんだよ」
エルフ「お前たちに奴隷のように扱われる同胞たちを助けるために、貴女を呼んだのです!」
小向「……なるほどね……」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/25 (Tue) 14:45:21
小向「でもダークエルフって、言ってしまえばエルフの親類なわけだし、妖精のようなものでしょう? ただの人間に屈服させられるとはとても思わないんだけれども」
エルフ「それがやつらの恐ろしいところでして……。奴ら、何か力を隠し持ってるんですよ」
小向「……確かに普通の人間ではないというのはよくわかったけれども」
エルフ「それに、我々ダークエルフたちの姫君も、彼女らに手籠めにされてしまいました」
ローズ「その通りさ。お前たちダークエルフどもが反乱だの面倒なことを企てたときには、それ相当の報いを受けてもらう手筈だ」
小向「だ、だとしたら、あんた出てきたらまずいんじゃ!?」
エルフ「……あ!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/25 (Tue) 15:40:40
ローズ「そういうことだ、おいヘザー。ちょっと姫君のところへ行ってきて、こいつの責任を取らせてきな」
エルフ「くっ……!!」
小向「仕方ないわね……!!」
―――――――――――――――――
ヘザー「なんだ……? やっぱりこの俺に歯向かうってのか?」
小向「そういうことね…!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/25 (Tue) 15:53:38
ヘザー「俺の拳を受けて只で済むと思うなよっ!!」ドゴッ
小向「くっ!!」シュッ
ヘザー「……!! ど、どこに消えた……!?」
小向「ふんっ!!」バキッ
小向「安心しなさい……。ちょっとしばらく寝てもらうだけよ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/27 (Thu) 20:56:54
エルフ「貴女もしばらく寝てもらいましょう!!」
マリー「バカね。私が普通に戦うわけないでしょう?」
エルフ「なに!?」
マリー「さよなら。おバカなダークエルフさん」
―――――――――
マリー「……消えた……!?」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/27 (Thu) 21:11:25
ローズ「くっくっく…。さぁて、姫君が心配だなぁ? ダークエルフちゃんよ」
エルフ「……くそっ……!!」
小向「ローズ……だったかしら? そもそもあんたたちは何者? なぜダークエルフなんて存在が見えるの?」
ローズ「……さぁな? 見えてしまったもんは仕方ねぇだろうよ」
小向「……悪魔契約ね……? それも、さっきのちっこいのが怪しいわ」
ローズ「ほう……。お前さてはエクソシストだな? それか名探偵か?」
小向「そうね。この国だとそうやってよく呼ばれるわ」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/07/27 (Thu) 21:37:35
エルフ「コナタさん!! こいつにかまっている暇はありません……!! 姫様が……!!」
小向「どうやら危ないみたいね!!」
エルフ「姫様が捉えられてる場所は分かります!!急ぎましょう!!」
小向「分からないことは後回しね!! ほら、キャシー、行くわよ!」
キャシー「もう何が何だかよー!!!」
――――――――――
小向「そういえば、あんた名前は?」
エルフ「私はベラ・ヴェンタスと言います。ベラでかまいません」
小向「分かったわ。ベラ、私たちは今から姫様を救いに行けばいいのよね!?」
ベラ「はい!! こっちです! ご案内します!!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/08/01 (Tue) 09:42:20
マリー「ふぅ。まさかダークエルフの民たちのボスである姫君がこんなところに幽閉されてるなんて思うまい。おい、姫様よ。さっさと交渉に応じろ。いつまでも往生際が悪いぞ」
姫「………。何を焦っているのです。我々ダークエルフは貴女たちの交渉に応じられるカードは持っていません。ですから、このように私を差し出したのでしょう?」
マリー「ふん。分かっているぞ。お前、外からエクソシストを呼びに行かせただろう? この状況を打破させるための!」
姫「………帰ってきたのですね。私の……いや、ダークエルフの民の勇者が……!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/08/01 (Tue) 09:47:15
マリー「私たちはこの街を支配し、お前たちダークエルフに『森の聖水』を作らせることが目的だ。奴隷労働はそれをさせるための撒き餌だ。それを余所者に邪魔なぞされてたまるものか」
姫「ですから申しているではないですか。奴隷として働くのはまだしも、森の聖水なぞ簡単には作れないと。私を人質にして民を働かせるのは無駄だと」
マリー「本当にそうか? ひどい肉体労働で削られるのは肉体ではなく精神だ。お前たちを奴隷のごとく扱うことでお前たちの精神はひどく疲弊していく。そのときに『森の聖水さえ作れば解放してやる』と言われれば、どうなることやら」
姫「我々は高尚なダークエルフ。そんな腐った人間の欲望に取り込まれてたまるものですか! 勇者が帰ってきたのです。今までの貴女たちの企みも、もうすぐ終わります!」
Re: 退魔師笠原さん!② - PPD
2023/08/01 (Tue) 22:29:43
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