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退魔師笠原さん! - PPD
2022/06/14 (Tue) 21:52:58
退魔師笠原さん一族たちの日常と、闘いの日々を描くスレ。
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/06/15 (Wed) 21:48:24
絵画が出てきた。
そこに登場する少女は、まさに小弥そのものだった。
江戸の初期―――彼女は一体どんな業績があったのか―――
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/06/18 (Sat) 22:00:34
江戸時代の笠原家―――
退魔を基本的な生業としていた笠原家であったが、江戸のころにはその身分も落ち着き、地方に住む身分の低い武士へと成り下がっていた。
そもそも武家社会は男性社会。しかし退魔師は女性に遺伝するというのが、その大きな原因だろう。
しかし小弥たちはそれにめげずしっかりと退魔師としての活動をしていた。
小弥「一応身分は保証されておったからな。馬などに乗って全国津々浦々怪異を倒して回っていたときもあったぞ」
ハクエン「主に姉がな」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/06/19 (Sun) 21:54:27
小孝「あ、姉貴…!? う、後ろに、だ、だれか……」
小道「あぁ、こいつか。こいつは慶長2年生まれの笠原家の退魔師なんだとよ」
小孝「は…? じ、じゃあ幽霊…?」
小道「あ~……まぁそういうことだな」
小孝「なんでそれを退治しないんだよ!」
小道「だって一応これでも私たちの祖先だぞ。悪い霊じゃない」
小弥「おいこら。『一応』とはなんだ『一応』とは」
小孝「ぎゃああ!しゃべった!!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/06/20 (Mon) 21:28:56
小弥「ほうこやつがぷろやきうせんしゅ…とかいうのを生業にしておるお前の妹か」
小孝「こんな幽霊をはっきり見るとは……。なんだか寒気もしてきたぞ」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/06/22 (Wed) 22:13:41
俺のシマにようやく変な気配が消えたな。
エーテルだったか…。あれを捕りに来てるやつが、この世界のどこかにいると思うと不思議な感じだな。
まぁ、もう俺のところは関係ねーから、ちょっと寝るか。
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/06/23 (Thu) 22:14:27
シロちゃんと待ち合わせ中。とんでもねぇ規格のものを見てしまって思わず自分のそれと比較してしまう小孝さん。それに気づかずシロちゃんと電話で話をしているも何か視線が気になる様子のアイリさん。
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/07/15 (Fri) 21:16:13
小向「……あー……やっぱりあの市松さんだったか~」
小道「わかってたんですか?!母上!」
小向「わかってたというか、『何かあるな~』くらいの感覚はあったのよね。別に悪いものじゃなかったから放っておいたんだけど。まさか私たちのご先祖様だったとは……」
小道(ご先祖様というわりには大して威厳がないから正直私にとっては背後霊…よくて守護霊だけどな)
小弥(おいちょっと今失礼なこと思ってるだろ)
小向「うーん……。でも、あまり霊がこの世に存在していることが良いことではないのよね。霊って悪い気の影響を受けやすいから――――」
小道「……そうですね。少し蔵のことも調べながら、色々と考えてみますね」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/07/21 (Thu) 22:11:54
小弥「……まずいな……アガリビトがここまでの数になっていようとは……」
小弥(姉貴がおればいか程に心強かったか……。だが仕方なし……)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/07/28 (Thu) 22:55:12
山っていうのは、不思議なところだ。
高い山に登ったときの気分というのは高揚感がある。
それまでの道のりの苦労からくる達成感もあるだろうし、自然に囲まれているからこそくる解放感もあるだろう。
ただし、解放感に浸りすぎるのもよくない。山というのは人を―――狂わせる。
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/07/30 (Sat) 21:48:26
とある山の中腹ほど―――
女「うーん!! 山って初めて来たけど、結構楽しいわね。空気も美味しいし。都会の嫌なことなんか忘れちゃって気持ちいいわ~!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/07/30 (Sat) 22:37:20
女「せっかくだし写真いっぱい撮ろーっと! 自撮り棒も持ってきたし。私も風景もいっぱい撮っちゃおーっと!!!」パシャッ
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/03 (Wed) 22:03:51
「ゲゲッ……!!」
女「だ、だれか助け……」
笠原「――――おい。それ以上そこの娘さんに近づくな。手を出したらその体が消し飛ぶと思えよ」
「ゲギッ……」スッ
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/04 (Thu) 21:49:57
笠原「悪いことは言わないから、さっさと山を下りた方がいいぞ。このあたりは良くない雰囲気が漂ってる」
女「は……はぃ……で、でも……あ、あなたは……?」
笠原「私は―――ちょっとこの山に関係ある人間だ。あの白いヤツは山さえ下りれば問題ない。だから下りてくれ」
女「わ…わかりました……で、でも、怖いので―――」
笠原「不安なら私がふもとまで案内しよう」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/07 (Sun) 21:23:33
笠原「この道も危ないな。気を付けるんだぞ」
女「は、はい…ありがとうございます」
女(なんだ…。この人すごくいい人じゃない…)
怪異「ケケケケケ…」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/10 (Wed) 22:20:36
女「ありがとうございました。山を下りるのを手伝ってくださってありがとうございました」
笠原「いや。問題ない。あと、さっさと帰って神社とかに行った方がいいかもな」
女「え……?」
笠原「―――山から無事帰ってきたんだから。神様にお礼の一言くらい言いに行ったって罰は当たらないと思うぞ」
女「あ…あぁ…!そ、そういうことですよね!ハハハハ…」
笠原「白いヤツのことは、さっさと忘れるんだぞ」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/14 (Sun) 20:58:30
笠原(山の中の怪異ってやつは、学校の怪談や普通の地縛霊なんかとは違う…。神に近い存在になっているものも多いと言う―――)
笠原(あいつらが祀られている神社があればいいのだが……)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/15 (Mon) 22:37:43
笠原「神社は見当たらないな……。祀られているような存在ではないってのか…?」
笠原「それか……祀られていたものが壊れたとか……?」
笠原「あと気になることといえば―――この池から何か違和感が―――」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/15 (Mon) 22:55:01
怪異「……ケケケッ…」ザバッ
笠原「ッ!!?」ズルッ
笠原(だ、ダメだ!! 池に沈めこむつもりだったか!!)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/15 (Mon) 23:08:45
笠原「はぁっ!!!」ザシュッ!!
笠原(ちっ、消えたか……)
笠原(……おそらくだが、あれは本体じゃない…。というか、本体という概念があるのかも分からない…)
笠原(くそ……。ここまで深くまでやってくると、どの方向からもあいつの気配を感じる……。まるで囲まれてるみたいだ……)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/16 (Tue) 16:23:21
小弥「なんぞこの雰囲気の悪い処は…」
小道「あぁ全く。いくら人里離れた場所とはいえ現代の日本にこんな場所が―――って」
小道「なんでお前がここにいるんだ!?」
小弥「なんでというても…。ここはなんだか妖力が強いからの。だから私もはっきりと現れることができたのではないか?」
小道「確かにいつもと比べると透明感がないな」
小弥「その言い方は少しどうにかならんかったのか?」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/16 (Tue) 20:48:57
小道「見つけた……。ここだ……」
小弥「ふ、ふんいきがあるな……たしかに……」
小道「ここに祀られているのか、それとも封印されているのか…それをまずは確かめなければ」
小弥「えっ…!? ま、まさかこの中に入る気か?」
小道「ここからじゃ分からんからな。お前が浮いて行ってくれるならそれでもいいが」
小弥「……何か出てきたらどうするんだ…!」
小道「…はぁ。じゃあ行くか」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/18 (Thu) 22:44:52
小道「中に入ってみたが……。暗くてよく見えないな…」
小弥「ヒッ…!」
小道「何かいたのか…?」
小弥「い、いや…た、ただの影だ…」
小道「……だが気を抜くなよ。もしかしたらあいつらが急に襲い掛かってくるかもしれないんだからな」
小弥「……うぅぅぅ……」
小弥(なぜだ…?ここに入ったときから、あ、頭が―――割れそうだ――――)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/19 (Fri) 22:29:31
「みなさん下がっててください――!!私が食い止めます…!!だから―――」
「お願いです、その娘を放してあげて―――」
「大丈夫―――大丈夫だから―――」
「姉上―――ごめん―――私は―――」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/19 (Fri) 22:50:34
怪異「ケケケケッ…!!!」
小道「ぐぅぅっ!!」
小道「お前らの住処がここか!?」
怪異「ケケケケ…」
小道(そもそもどこから姿を現したんだこいつ!!)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/08/31 (Wed) 21:39:09
笠原「ぐっ!!?」
笠原「く…朽ちた刀から邪気が……な…なんだこいつ……腕が…いや……」
笠原「まるで何人もの人間の怨念が混ざったような……何人もの人間の気配を同時に感じる―――」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/09/15 (Thu) 21:42:24
小弥「……鎮まれ……山の上におわす荒くれの神よ…」
小弥(本来は神ではないが、こやつはもはや神に引けを取らない領域にまで力をつけてしまった……。霊魂や悪意が流れて溜まり……。怪物でありながら神になろうとしている……)
小弥(これを鎮めるためには、『倒す』か『生贄をもって封印するか』のどちらしかない……。一体どうすれば……)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/09/19 (Mon) 22:15:21
小弥「無理だ……。たすけて……姉上……」
小弥「いや……姉上に頼るわけにはいかない……」
小弥「倒すのが無理なら……」
小弥「もう1つの方法を試すしかない……!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/09/20 (Tue) 22:20:57
小弥「ごほっ……。はぁ……はぁ……これで……いい……」
小弥「貴様と一緒にあの世へ逝ってやろう……!!私の命と共に封印してやる……!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/09/24 (Sat) 17:40:33
笠原「あの時は封印だけで終わらせてしまった―――」
笠原「封印が解かれてしまった今、何百人もの魂を取り込んだ疫病神になった貴様を再び封印するのは不可能だろう」
笠原「「魂ごと消滅させてやる……その何百もの魂を解放してな……!!」」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/09/25 (Sun) 21:50:16
小道「……で、あの化け物を完全に消滅させたはずなのに、なんでお前は成仏してないんだ…?」
小弥「私はあの化け物の封印のために自らの魂を使っただけだからな~。私自身は別にあれに取り込まれたわけではないのだよ」
小道「ほー?じゃあ普通に除霊すればお前も成仏してくれるってことか?」
小弥「それは無理。私もお前と同じ退魔師だったから霊力も並みの霊とは比べ物にならんし」
小道「いや私の方が霊力は強いからいけるだろ」
小弥「そんな冷たいこと言わずもう少し置いておいてくれよ。きちんと守護霊してやるからさ」
小道「守護霊というかただ憑りついてるだけだろ……」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/09/27 (Tue) 21:41:23
ハクエン「主、なんだか霊力がさらに強くなっておらんか?」
小道「確かに今まで以上に力に満ちている気はするな」
ハクエン「そろそろ霊力の制御を覚えんといかんな」
小道「霊力を抑えるっていうことか?」
ハクエン「そうじゃな。一般人にもいる『霊が見える』ような者だと、今のお前は相当恐ろしいものに見えるじゃろうな。後ろに『妙なもの』も憑りついてることじゃし」
小弥「おいこら!誰が妙なものだ!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/10/02 (Sun) 22:04:41
小道「小弥のおかげで、低級の霊ならばすぐに消滅させられるまでになったな」
小弥「そうだろうそうだろう?私の力は偉大だろう?」
小道「どんどん人間離れが進んでいってるな」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/10/23 (Sun) 21:17:01
ハクエン「………で。どういうつもりじゃ?」
「むぐぐぐぐぐぅうう!!」
「んぐぐむぐぐぐうう!!」
ハクエン「妖炎じゃから熱くないじゃろ?」
「んんんうぅうううぐぐぐうう!!!」
「っぐぐぐううううううううう!!!」
ハクエン「口枷だけでも外すか。全く、拘束したらしたでうるさいやつらじゃのぅ」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/10/28 (Fri) 21:52:42
「われわれの土地に知らぬ狐がおったから襲い掛かっただけだ」
「不審者は退治するのみ!これは現世でも変わらないだろう?」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/10/29 (Sat) 22:09:48
ハクエン(拘束を解いたらべらべらとしゃべりよって…)
ハクエン(嘘をついておるわけではなさそうじゃが…)
ハクエン(余と対峙して何もないということは妖の類で間違いないのだろうが……)
ハクエン(ちょいと探りを……いや、そこまでしなくともこいつらならボロを出すか……?)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/01 (Tue) 21:34:52
「やっぱりお前はここいらでは見かけない狐だな」
「我々の住まうこの土地に勝手に入ったことは許してやろう!」
「この神聖なる神社跡の丘に入ったことをな!!」
ハクエン(なるほど……どこかの神社の跡だったか)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/13 (Sun) 17:00:57
ハクエン「お前のところのうるさい2匹の子犬を飼い主に返しにきてやったぞ」
「誰が子犬だ!」
「無礼だぞ!!」
???「なるほど……。社におらぬと思っておったらそんなことをしておったのか……」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/13 (Sun) 17:30:45
「我は名は吉瀬郡司(きせの ぐんじ)。神号は『弥宮大明神』。吉瀬の氏神である」
弥宮「我が社の狛犬が手荒い真似をしたことは詫びよう」
ハクエン(中々話の分かる大物が出てきてしまったな)
弥宮「貴殿は人に非ざるうえ、妖怪の類であるな…。何故我が聖域に足を踏み入れることができた…?」
ハクエン「そうだな。余が人に遣えておるから……かの」
弥宮「ほう…。それは興味深い。貴殿のような実力を持つ者が簡単に軍門に下るとは思えぬが。現代にそのような力を持つ者がおるのか?」
ハクエン「お主は現世からはだいぶ離れて久しいのか?」
弥宮「うむ…………八百年ほどは離れておったかの……」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/14 (Mon) 22:25:32
ハクエン「だからか…。お前の社は随分ボロボロというかなんとかいうか」
弥宮「みなまでいうな……。我もそれは最近気づいておる…。どうやらこの社はすでに神主どころか巫女一人いないらしい……」
ハクエン(なんだか随分気の毒な神様だな)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/16 (Wed) 21:53:18
ハクエン「一度人里におりてみるというのも手かもしれんぞ。大体お前のところの狛犬は引きこもりの主人のために、神社の聖域になる部分に侵入してきた余に攻撃をしてきたのじゃ。立派じゃないか」
弥宮「まぁ……まぁそうじゃな……」
ハクエン「それなのに主人たるお主が八百年も引きこもっていては話にならん」
弥宮「ぐぬぬ……妖怪のくせに神である我に向かって――」
ハクエン「お主からは威厳を感じぬからの……」
弥宮「なっ!?」
ハクエン「悔しければ一度人里を見てみるがよいわ。今のお主の立場もわかるというものよ」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/17 (Thu) 21:58:34
弥宮「なんだ……我が知っていたときの吉瀬と全く違うぞ……」
ハクエン「そりゃ800年も外に出ておらんかったらそうじゃろうの」
弥宮「そしてなんじゃこの格好は…。下がすぐに見えてしまいそうで落ち着かんぞ」
ハクエン「神のくせにいちいち小言が多いのぅ」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/19 (Sat) 22:25:15
???「ねぇねぇそこのねえちゃーん」
弥宮「ん……?」
???「めっちゃ可愛いじゃん~、ちょっとこれから遊ばねぇ~?」
???「そっちの妹ちゃんも一緒でいいからさ~」
弥宮「……口を慎め、畜生ども」バチッバチバチッ
ハクエン(い……いかん! こやつ、ぶち切れておる!!?)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/20 (Sun) 17:59:47
弥宮「高位の存在に対しての敬意も見られないような畜生には、その体に味わわせてくれる――――」
ハクエン(いかん……。こやつ800年も人とふれあってないせいで、神力の使い方が滅茶苦茶じゃ……!!)
ハクエン(このままじゃ吉瀬の町が滅んでしまう……!!)
―――――
ザヨウガン「があぁああああううぅうぅうう!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/20 (Sun) 19:49:20
ハクエン「ざ、ザヨウガン!!?」
ザヨウガン「こいつに攻撃をさせるわけにはいかねぇ!!町どころか、生き物全てが一瞬で消し飛ぶ!! させてたまるか!! 今ここで俺が叩き潰す……!!」
弥宮「……お前が一番の贄か…。まぁ良い。その身をもって知るがいい。これが『カミのイカズチ』だ……!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/20 (Sun) 19:58:57
ザヨウガン「っがあああぁぁあぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
弥宮「造作もない――――さて、次はだれg―――」
笠原「やめろぉおぉおおお!!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/20 (Sun) 20:24:59
弥宮「ほう……? 其方は中々の力を持っているようじゃな…。其方がこの妖が言っておった退魔師というやつか……?」
笠原(は、ハクエン……? なぜおまえが…)
笠原「あ……あぁ……そうだ。お前は何者だ……?」
弥宮「退魔師であればなんとなく察するところであろう? 我はこの世の者を超越したもの―――敬意の欠片もない者には一切の容赦はしない。さて、其方が今我に向けておるもの―――それはなんだ…? 言ってみろ―――場合によっては、そこの犬っころと同じようにしてやる」
笠原(まずい……。こいつは妖怪なんかと比べ物にならないほどの力を感じる。まさか神ってやつか……? だがしかし―――)
笠原「あぁ分かった。言ってやるよ。これは退魔の刀。お前のような邪悪な者を斬り倒す私の武器だ……!!」
弥宮「我が邪悪だと……? ――いいだろう。其方も炭に変えてやる」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/20 (Sun) 20:42:22
ハクエン(まずいことになったな……。神のくせに単細胞じゃな、こいつ―――)
ハクエン(えぇい!こうなれば致し方ない…!)
ハクエン「主!!こやつは800年間神通力も特に使って来なかった引きこもりじゃ!!」
弥宮「…!!?」
ハクエン「さびれた薄汚い神社で、2匹の狛犬と寂しく過ごすしかなかった可哀想な神様なんじゃ!!」
弥宮「おい」
ハクエン「神主も巫女もおらん、ちっぽけな神社で800年間も自堕落に過ごしておったんじゃ!!!」
弥宮「やめろ」
ハクエン「おかげでこの数百年人どころか獣すら近寄らず侘しくこの世に―――」
弥宮「―――その辺にしてくれぇええ!!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/23 (Wed) 10:52:08
――――――
笠原「つまり、引きこもりで世間知らずになってしまった神様の手下が絡んできたので、神様を外に引っ張り出してきて、神社の威厳を取り戻そうとしたってことか?」
ハクエン「平たく言えばそうじゃ」
笠原「そりゃ800年も昔の人に現代の街中はちょっと刺激が強すぎるだろ…。第一そんな神社があるのか? 私は知らなかったぞ」
ハクエン「ほれ見ろ。お主の神としての威厳もその程度なんじゃ」
弥宮「みなまで言う必要はない…////」
笠原「だが確かに力は神域に達してたな…。本気を出されたら吉瀬どころか日本が壊滅する」
ハクエン「その神があんなぼろっちい神社に身を構えていたのでは威厳もへったくれもないだろう? だから主に相談じゃ」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/26 (Sat) 21:50:23
笠原「うーむ……。神社がボロいというのがそもそもの元凶のようだな……」
弥宮「うぬぅ……。余のまだ若かりし頃は、多くの者が豊作、安産、健康、安全を祈願しに来ておったのに」
笠原「昔は名の通った神社っていうのなら、笠原家にも資料が残っているかもしれないな」
弥宮「調べてくれ……!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/27 (Sun) 22:08:45
小道「うーむ…。確かに記録としては神社があったというものは残っているが……。あまり大きな規模のものじゃないみたいだな」
小弥「そりゃそうだ。笠原家が根城を持つ土地じゃから、神社の代わりとして機能しておったしな」
小道「言われてみればそうだよな…。それならどうして吉瀬氏はわざわざ氏神を祀るようなものを作ったのかっていう謎が残るんだが?」
小弥「さすがにそれは私にも分からん。もっと古い時代の話だしな。それより神というのは、あんな感じの扱いでいいのか?もっと丁重にもてなすべきでは…?」
小道「なんだかあの神様を見てるとお前を見ているようで仕方ないんだよな」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/28 (Mon) 21:37:56
小道「……そういえばこの土地の名前……。確か今は私有地になってるな……」
小弥「神社がある山を誰かが所有してるということか?ならその者が吉瀬氏と関係しておるのではないのか?」
小道「いや……確かこの土地は――――」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/28 (Mon) 22:01:39
笠原(まさかここに来ることになるとはな)
笠原(彼女はいるだろうか……)
笠原(いや……いなければ別の者に話をすればいいだけなのだが……。あの人なら話は早いだろうからな……)
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/29 (Tue) 21:55:46
笠原「すみません。私、笠原小道というものなのですが。こちらに吉沢さんという社員さんはいらっしゃいますか?」
??「はい、少々お待ちください」
――――――
吉沢「……あ、あなたは……」
笠原「私を覚えているか……?」
吉沢「忘れるわけないわ…! 私たちがあんな屈辱を受けたのは初めてなのよ!」
笠原「そうか…。それは何よりだ…。今日はそんなことよりも少し話があって来たんだ」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/30 (Wed) 21:34:23
笠原「吉瀬銀行が担保してる売地に神社があるのを知っているか?」
吉沢「…神社!? いえ…あそこには山しかないと聞いているけど」
笠原「そうか…。この資料を見てほしいんだが、実はこの山の奥に神社がある」
吉沢「……随分古い資料ね。古文書みたい」
笠原「まぁ……我が家の古く伝わる蔵から引っ張り出してきたものだからある意味古文書だな。それは良いんだが…、少しこの神社に手を付けてほしいというお願いをしに来たんだ」
吉沢「……ほんと、あの試合もそうだったけれど、あんたは一体何者なのよ……」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/11/30 (Wed) 21:50:03
結論から言うと、一度吉沢さんがこの案件を持ち帰ることとなった。
理由としては、担保とした土地に歴史的な建造物があるということは付加価値が変わるため、そのあたりの手続きがあるからだとか。
それにしても念入りに土地を調べたはずだが神社があったという話は全くの初耳であり、これから少し忙しくなると愚痴をこぼしていた。
そして親切にも連絡先を教えてくれた。
吉沢「あんたとは一度因縁もあったけど。今回に関しては有意義な情報をくれたから感謝するわ。社外に話してもいい情報は、あんたにも伝えたいと思うわ」
とのことだった。
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/01 (Thu) 21:32:14
次の日、さっそく吉沢から連絡がかかってきた。
吉沢「もしもし? 確かに神社を確認したわ。でも妙なのよ。前にもここに調査に来ていたはずなのだけれど、その時は確かにここには何もなかったはずなのよ」
笠原「調査漏れとか、別の場所と間違えているとか、調査が杜撰だったとかそういうわけじゃないのか?」
吉沢「私たちの資産になる土地だもの、きちんとそのあたりは念入りに調査したわ。ある程度写真とかも残してある。けれど、確かにそこを写したはずの写真なのに、神社の跡すらないわ」
笠原「……どういうことだ?」
吉沢「つまり。『まるでボロボロの神社が突然現れた』みたいだってことよ。明らかにボロボロの神社で年季が入っていることもわかるのだけれど、確かにほんの少し前まではここには何もなかったわ」
笠原「……あとはこちらでも調べてみる必要があるな。ありがとう。そこまで調べてくれて感謝する」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/01 (Thu) 21:40:35
笠原「―――ということなんだが、何か心当たりはあるか?」
弥宮「……うーん……。800年も寝ておったから、そんなことさっぱりじゃわ」
笠原「……そういや、なんで800年も寝ていたんだ?」
弥宮「そうじゃ……! 確かあれは……」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/03 (Sat) 22:29:59
西暦1200年ごろ―――吉瀬某所――――
「こんなところに氏神が祀られているとはな―――」
「まったく。人風情が神に成り上がるなど、我らを愚弄するにもほどがある」
「消え失せろ――――神もどきめ―――」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/03 (Sat) 22:42:08
郡司「神もどきじゃと……?」
郡司「鎌倉殿に敗れた身の上でよくそんな言葉を吐けるものじゃ」
郡司「もう一度痛い目を見てもらうほかあるまいな―――」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/03 (Sat) 23:16:39
笠原「……なるほどな。鎌倉時代に反乱を起こして敗れた御家人がこの地域に逃げ込んだから、神同士で競合してしまったのか」
弥宮「自然神は基本的に融通が聞かんからの……」
笠原「その戦いに敗れて傷ができたから、傷をいやすために隠れるようにしたということか……」
弥宮「いや…、負けたからこそ、信仰心ごと奪われたのじゃ…。その時期は、吉瀬地方では自然災害があった。おそらく森の神がいたせいだろう。だから人々は森林に対して畏怖し、崇めた。その結果我は忘れられて、信仰心を失いさらに力を無くした」
弥宮「神社も廃社になり、いつ消えるかという時期だったんじゃ…。我ももうあきらめておったから、逆に忘れておったわ」
笠原「本当に消える寸前だったってことだったんだな」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/03 (Sat) 23:21:32
笠原「だが、お前の話には1つ嘘があるな」
弥宮「…なんじゃ?」
笠原「『諦めてた』わけじゃないだろう?」
弥宮「…どういうことじゃ?」
笠原「諦めてたというのであれば、わざわざ狛犬なんかを自身の手元に置いておくわけがない。それに、こうして800年経った今、『妖怪の口車に乗って』わざわざ人の町まで下りてきている」
弥宮「…………」
笠原「お前……いや、吉瀬郡司。あなたが本当に人の神だというのであれば、諦めずに最後まで神としての威厳を貫き通してほしい。人々があなたのことを信じ、奉った日々があったことを忘れないでいてほしい。もしも信仰が足りないというのであれば、私が毎日でも通ってやる」
弥宮「……。はははは。ただの人間にこうとまで言われるなんてな。我も神としてまだまだ未熟じゃな」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/04 (Sun) 21:27:48
笠原「すみません。急にこんな無茶を言っちゃって」
遠藤「何を言ってるの。この前、助けてもらった恩返しだよ! 新しいお祭りをするなんて風情あるじゃない! まずは神社をきれいにするの。町内会一丸でがんばるよ!」
吉沢「神社が相当古い代物だと分かったから、公的機関に保護してもらった方がいいという判断になった。その代わり神社の復興のための資金提供に我が社を使ってもらえることになったから、万々歳ね」
笠原(こうして、神社が復興していけばそのうちお前の力ももとに戻ってくるだろう。いつかみんなの信仰だって集められるようになるだろうな)
笠原(ま。それまではきちんと毎日通ってやるとするか)
~fin~
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/10 (Sat) 21:11:59
狛犬赤「お前が主様の言っていた人間か!」
狛犬青「よくやったぞ人間!お前のおかげで我が社は立ち直った!」
笠原「こいつらがお前の言ってたやつか?」
ハクエン「その通り。やかましい狗どもじゃ」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/18 (Sun) 22:04:18
「捕まえたぞ狸女め!!」
「磔にして晒し刑にしてやる!!!」
「いや!窯ゆでにしてしまえ!!」
「狸汁にゃもってこいだ!!」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2022/12/25 (Sun) 22:08:13
へへん!この程度の催眠で腰を抜かして震えあがってしまうとは本当になっさけな~い!!
では、ありがたく飯はいただいておこうかな~!!
ほらもう一度私のことを狸汁にしてやるとか大口をたたいてみろ!!
ざーこざーこ!!
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2023/01/03 (Tue) 21:55:26
とある日――――
カンナギ「お主こんなところで何をしておるのだ?」
???「…………」
カンナギ「お主人間じゃろ? 何か悪さでもしたのか?」
???「…………」
カンナギ「しゃべらんのぅ。つまらんな」
???「……『鬼の子』に喋りかけてくるやつなんて、あんたも相当な変人ね」
カンナギ「なんじゃ。喋れるのか」
Re: 退魔師笠原さん! - PPD
2023/01/07 (Sat) 22:32:16
カンナギ「ヒトの子なら料理くらいできなければのぅ」
???「……バカにしないで」
カンナギ「ほぉ。作れるのか? 我が味見してやろう」